わが国の今後の喫煙対策と受動喫煙対策の方向性とその推進に関する研究

タバコV.S.たばこ

タバコは戦国時代の末期にポルトガル人によって日本に伝わったものです。ポルトガル語の”tabaco”に由来しており(英語ではtobacco)、同時期にもたらされた外来語のカステラやボタンと同じようのように、筆者をはじめ多くの科学者はカタカナ表記を用いています。日本政府は、古くから「たばこ」とひらがな表記を用いているため、条約や法律もひらがな表記なので引用部分はそれに従っています。

特に、タバコ産業は「日本に根付いた文化である」ことを強調する意図があるため、ひらがなを用います。

以上より、このホームページでは法律や政府、官公庁の文章を転記するとき以外は、カタカナでタバコと表記しています。また、「たばこ」をひらがな表記にすると文章の中に紛れて読みにくくなる、という理由もあります。

 

「非燃焼・加熱式タバコ」から

「加熱式タバコ」に変更

MPOWER 2017で初めて加熱式タバコが「Specific questions on water pipe use are being introduced in more and more countries, as well as questions on everging tobacco products such as Heat Not Burn (which heat rather than burn the tobacco to release and aerosol containing nicotine)」として短く取り上げられました。
 2019年7月26日に公開されたMPOWER 2019では52〜55頁に「Heated tobacco products: HTPs」という新項目が設けられました。

 「Heat Not Burn」が「Heated tobacco products: HTPs」に変更されたのは「燃やさない」という言葉によって「害が少ない」をイメージさせることを避けるためだと思われます。

 日本呼吸器学会でも「非燃焼・加熱式タバコ」から「加熱式タバコ:HTPs」に修正が行われました。

受動喫煙、三次喫煙の英語表記

1990年代:新聞等ではpassive smokingの直訳として受動喫煙が使われ。

     学術的にはenvironmental tobacco smoke(ETS)の訳として環境タバコ煙が使われました。

     ETSは環境中に自然に存在するかのような印象を持たせるためにタバコ産業がつくった造語です。

2000年代:新聞等では中古の煙を意味するsecondhand tobacco smokeが使われ始めました。

     ネガティブなイメージをもたせることができるため、学術論文でも使用されるようになりました。

     英語ではsecondhandで1つの単語であり、途中に「-」ハイフンは不要です。

2010年代:三次喫煙(third-hand smoke)の有害性も問題となりました。

     third-handは新しい言葉で、途中にハイフンをいれます。

     筆者は、同じ文章内で両方を使用する場合、second-handとハイフンを入れてバランスを取ります。

コールドターキー

「コールドターキー(冷たい七面鳥)で何か(例えば、タバコ)をやめる」という英語表現。意志の力によって「すっぱりとやめる」という意味。麻薬の禁断症状に、七面鳥の皮膚のように鳥肌が立つことに由来。

筆者が1996年に禁煙したときが、これでした。非常に苦しい思いをしました。今は、禁煙治療薬があるので、コールドターキーで禁煙する必要はありません。禁煙外来に行きましょう。

   
   
   
   
   
   
   
   
   

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